そして、フラッグシップであるアヴェンタドールは昨年、後継の「レヴェルト」へとモデルチェンジされたが、こちらはランボルギーニのDNAを強くアピールする“Made in Santa Agata”を具現化している。
エンジンはゼロから熟練工が手作業で組み立て、ファクトリー内の複合素材製造棟にてCFRP(カーボン)製シャーシとボディが作られる。すべて内製なのだ。そして、希少性維持のため、生産台数をいたずらに拡大することもない。
つまり、フラッグシップモデルでランボルギーニの技術と歴史の正統性をうたい、2つの量産モデルでしっかりと利益を確保するという戦略である。
ここでひとつ、疑問を生ずる。昨年の1万112台のうち、6000台以上をSUVのウルスが占めている。それによって「通好みのスポーツカーメーカー」というブランド価値が変質してしまうことはないのだろうか、と――。
4つ目のカテゴリーも加えてボリュームアップを目指す
おりしも先日、ランボルギーニCEOであるステファン・ヴィンケルマンとのインタビューがかなったので、その点を聞いた。
「大事なのは『つねに需要よりも供給が下回る』ということです。これがブランドの価値を維持するポイントだと思います。私たちはランボルギーニの潜在的なオーナーが、各国にどのくらい存在するかを絶えずリサーチしています。昨年の全世界の自動車登録台数は7500万台でした。そのこと考えれば、私たちの数字はまだ微々たるもので、大いに伸びしろがあると考えます。ですから、ウルスで新しいマーケットに参入したことは、大きなチャンスをつかんだと同義なのです」とヴィンケルマンは語った。
全体のバランスから考えれば、まだまだウルスも伸び代があり、現在の3カテゴリー体制はバランスよく稼働するという予測が、彼の意見であった。
さらに、昨年夏に発表されたBEVのコンセプトモデル「ランザドール」も、近い将来には4つ目のカテゴリーとなり、さらなる企業としてのボリュームアップを目指すことになるであろう。
現状の3カテゴリーがお互いを食い合うことがない、つまり差別化できた商品群を作りあげたランボルギーニの戦略はうまく稼働しているようだ。
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