ちなみにフェラーリの1999年の年間生産台数は3775台であり、こちらはコンスタントに販売数量を伸ばしてきたところがランボルギーニとは異なる。さすがはスーパーカーブランドの王者であり、利益率も非常に高い。
2023年の純利益は、なんと12億ユーロ超えだというから驚きだ。フェラーリは限定モデルをシリーズ化してコンスタントに発表するなど、ハイエンドモデルの販売増に熱心だ。
そう、この手のハイパフォーマンスカーブランドにおいては1台あたりの単価を上げ、「いかに利益率を上げるか」が大切であり、それが戦いの術になっているのである。
しかし、イタリア・サンタアガタの“中小企業”が、フェラーリに肉薄する販売レベルを達成したことは大健闘である。この結果を出せたのが、明確な事業戦略をぶれることなく追求し続けたためであることは間違いない。本稿では、その勝因を分析してみた。
明確なラインナップとサプライチェーンの活用
前述したように、ランボルギーニの商品群には現在、3つのカテゴリーが存在する。ウラカン(2023年で販売終了。本年に後継モデル発表が予測される)は、ウルス誕生までエントリーモデルの役割をもつモデルであった。
小規模なランボルギーニのアッセンブリーラインでも十分な台数が生産できたのは、フォルクスワーゲングループ内でのコンポーネンツの効率的な活用のおかげだ。グループ内にあるポルシェ、ブガッティ、アウディなどのサプライヤー網をうまく用いている。
エンジンがドイツからほぼ完成形で送られてくるのはもちろん、ボディまでペイント(例外もあるが)されて、サンタアガタの工場へ送り込まれる。そのおかげで、スケールメリットを利用して原価率を下げ、開発リスクを軽減することもできた。
現在、販売のメインであるウルスは、この方式をさらに進めている。ウルスのための特別なアッセンブリー棟も設けられ、グループ内コンポーネンツを活用し、ごく短期間でSUVの量産体制を作りあげた。
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