半導体不足がホンダを直撃! トランプ関税や円高も重なり四輪事業は赤字見通しに・・・EV事業の巨額損失や中国低迷で軌道修正は待ったなし
「コロナ禍での部品不足の状態から何も学んでいなかったのか」。あるホンダ系部品メーカーの首脳はそうため息をついた。
ホンダは10月28日からメキシコ・セラヤ工場でのSUV(多目的スポーツ車)「HR-V」などの新車生産を停止した。先だって、アメリカとカナダでは10月27日から生産調整に入った。ホンダ側は減産規模を明らかにしていないが、ホンダ系部品メーカーの幹部は「アメリカとカナダでは7割減産している」という。
背景にあるのが、オランダに本社を置く中国資本の半導体メーカー、ネクスペリアの出荷停止だ。
半導体不足を教訓にしたはずが・・・
きっかけは9月末、オランダ政府がネクスペリアの経営に経済安全保障上の問題があるとして、同社を管理下に置き、経営権を掌握したことだ。これに反発した中国政府は10月4日、中国で生産するネクスペリア製品の輸出規制に乗り出した。
足元では輸出規制の緩和に向けて動き出したものの、日産自動車が九州工場で計900台の減産に踏み切るなど「ネクスペリアショック」は世界に広がる。しかし、現状判明している影響の大きさはホンダがとりわけ大きい。
ホンダはコロナ禍を起点とした半導体不足を教訓に対応を進めてきたはずだった。ホンダ内外からは「半導体は代替品の開発や半導体メーカーとの直接の調達契約といった対策を進めてきていたのになぜ」という声が聞こえてくる。
11月7日に行われた26年3月期中間決算の発表会見で、貝原典也副社長は「1社手配になっていたことに加えて、北米がフルキャパシティで稼働しており、半導体の中間在庫が手薄になっていた」と説明する。ただ、調達先の多様化ができていなかった理由は明らかにしていない。なお「11月17~21日の間で生産は正常化できる見通しだ」(同)という。




















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