世界のアート好きが注目する非売品のカレンダー「ピレリ・カレンダー」の発表会で聞いた制作の意義

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2026年版はノルウェーの写真家、ソルベ・スンズボー氏が担当(写真:Pirelli)

自動車に関連する企業は、プロダクトの宣伝以外にも力を入れている活動がある。

とりわけ熱心なブランドというと日本ではレクサスが思いつく。けれど、だいたい活動はローカルで、世界的には知られているものはごく限られる。

例外的な存在ともいえるのが、イタリアのタイヤメーカー、ピレリだ。

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F1のタイヤサプライヤーであり、フェラーリやランボルギーニなどスーパースポーツも装着するタイヤを作るピレリ。

ピレリの名はクルマ好きには昔からよく知れわたっているが、ここにきて、そうでない人たちの間でも話題になることが多い。

ここが、企業活動としてたいへん興味深い。

【写真】ピレリ・カレンダー2026に収録されるアート作品を見る

アートとカレンダー

アートが好きな一般の人にもピレリが注目されているのは、「Pirelli HangarBicocca:ピレリ・ハンガービコッカ」の存在による。

ミラノ郊外のビコッカで、かつてのピレリの工場をリノベーションし、非営利のコンテンポラリーアートミュージアムとして、2012年にオープン。以来、アート好きの間で話題を呼ぶ展示を行ってきている。

イタリアの企業は、自社製品に多額の宣伝費をかけることもさることながら、アートなどで企業価値をあげるのが上手だ。

ファッション・ブランドのプラダも同様。ミラノの蒸留工場を改造して、現代アートを展示する「フォンダツィオーネ・プラダ」を開き、ミラノを訪れる目的になっている。

ピレリで注目してほしい活動がもうひとつある。カレンダーの制作だ。

プラハの壮麗な「市民会館」を舞台にカレンダーの発表を記念してガラディナーが開催された(筆者撮影)

その名も「ピレリ・カレンダー」として、1964年より毎年のように質の高いカレンダーを送り出している。

そして2025年11月14日には、第52版になる2026年版を発表した。チェコのプラハを舞台に開かれたメディア向け発表会では、CEO自らがインタビューに答え、カレンダー制作の意義を語った。

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