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上白石萌音はなぜ絵画の前で深呼吸するのか? 今秋の大注目展覧会「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」の見どころも語る

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上白石さんにアートの楽しみ方などを聞いた(撮影:梅谷秀司)

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この秋、10月25日から開催されている展覧会、「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」で展覧会アンバサダーに就任したのが俳優・歌手の上白石萌音さんである。上白石さんにアートの楽しみ方やこの展覧会の見どころなどを聞いた。

オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語
会期:2026年2月15日(日)まで
会場:国立西洋美術館
展覧会公式サイト:https://www.orsay2025.jp

ーーそもそもアートについて関心を持ち始めたきっかけは?

名前が「萌音」なので、父が私が生まれてすぐにモネの絵のレプリカを買ってきて家に飾っていたんです。幼い頃はもちろんモネのことなんて知らない。物心ついてからですが、学校でモネのことを習ったときがありました。「なんか知っている……。あっ!家にある」って。それがモネとの出会いでした。

本格的にアート好きになったのは、わりと大人になってから、10代後半ぐらいからですね。きっかけは原田マハさんの小説『常設展示室』を読んで感動したこと。短編集に出てくる一つひとつのストーリーが面白い。そこからマハさんのいろんなアート小説を読みあさったりして……。東京って、アート鑑賞の場としてもすごい都市で、必ず何かしらの展示をやっている。展覧会に足を運ぶ回数もどんどん増えていきました。

『最後の審判』を見たときに強い衝撃

ーーアートに関連して、印象深いエピソードを教えてください。

最近イタリア旅行に行きました。バチカンのシスティーナ礼拝堂でミケランジェロの『最後の審判』を見たときの衝撃は忘れることがないと思います。ラファエロの代表作で、古代アテネの哲学者を描いた『アテネの学堂』という壁画を見たときもかなり感動したんですが、それ以上でした。

システィーナ礼拝堂の中は写真撮影が禁止です。そのことも影響しているはずですが、誰もスマホを見ずに自分の目にこの瞬間を焼き付けようとしている。

壁際にあるベンチもずっと満員で、みんなただただじっと座って上を見ている。写真は撮っていないけれど、私の記憶には鮮明な形で残っています。

ーー国内でもよく美術館には行かれるそうですね。展覧会選びのポイントを教えてください。

私の場合はとにかく最初にポスターを見て、いかにときめくか。ときめきのポイントですか? 作品自体の魅力はもちろん大切ですが、どんなテーマで作品が集められたのかが気になります。ポスターに記されたコピーなどもじっくり読みます。

「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」には「部屋をみたす光と音の調べ‐もうひとつの印象派」というコピーがあります。とてもポエティックな響きがあって、いいですよね。キュレーターさんや携わる人たちの愛や情熱を感じます。強く惹かれます。

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