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アート教育のプロが企業に広める「思考」の育て方、アーティストが実践している探究的な思考プロセスを日常やビジネスに応用する方法とは?

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ビジネスパーソン向けセミナーの様子(写真:筆者提供)

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近年、ビジネスの世界で注目されている「アート思考」。単に芸術作品を鑑賞したり、デザインを学んだりするのではなく、アーティストが実践している探究的な思考プロセスを、日常やビジネスに応用する考え方のことを指す。ここでは、アート思考の概念や身に付けるためのプロセス、目指すべき姿などについて、ベストセラー『「自分だけの答え」が見つかる13歳からのアート思考』著者の末永幸歩氏が解説する。

芸術作品はその裏側に本質がある

多くの人は、アーティスト=絵画や彫刻などの作品を作っている人だと考えるが、それだけでは理解できないことが往々にしてある。例えば現代アートの世界だと、一筆で描いただけ、まるで子どもが手掛けたようなもの、アーティスト自身が手を動かさず完成させた作品は珍しくない。

創作物の作り手という捉え方だけでは十分ではなく、むしろ私は作品自体ではなく、以下に挙げた、裏側にある3つの思考プロセスにこそ本質があると考えている。

①「自分だけのものの見方」で世界を捉え、
➁「自分なりの答え」を生みだし、
③それにより「新たな問い」を生みだす

これらを実践しているのがアーティストであり、「アート思考」もこのように定義した。すなわち、作品を作るだけではなく、アーティストのようにものを見たり、考えたり、問いを結果として生みだしたりしようとする思考プロセスのことを指す。

(出所)『13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)

イラストを参照してほしい。植物にたとえると、地表部分に咲いている花はアートで言うところの「作品」、花の根元にあるタネはアート活動の源となる「興味のタネ」、タネから四方八方に伸びる無数の根はアート作品が生み出されるまでの長い探究を表す「探究の根」に当たる。

「アートという植物」はこれら3つで構成されるが、実際の植物と同じく空間的にも時間的にも大部分を占めるのは花ではなく、地表に顔を出さない根の部分なのだ。

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