
フォルクスワーゲン(VW)が、かつて販売していたワンボックスタイプの貨客両用車「タイプ2」のデザインをモチーフとしつつ、電動車シリーズ「ID」ファミリーの一員として設計された「ID.Buzz(アイディーバズ)」が、日本でも発売された。
東京の六本木ヒルズで行われた発表会では、ホワイトとイエローの2トーンカラーをまとった個体が、似たようなカラーに彩られたタイプ2の第1世代(通称アーリーバス)と並んで展示され、クラシックとモダンの融合であることがアピールされた。
でも、生まれた年が70年以上違うこともあって、並べて置かれると、いろいろな発見があったこともたしかだった。
アル/ヴェルを上回る車幅
まずは、車体の大きさだ。ID.Buzzの全長は標準ボディが4715mm(ホイールベース2990mm)で、ロングボディは全長4965mm(ホイールベース3240mm)となる。全幅の1985mm、全高の1925mmは共通だ。
対するタイプ2のアーリーバスは全長4280mm、全幅は1720mmで、長さについては現行「ゴルフ」に近い。
ID.Buzzのサイズはとても大きく思えるが、ヨーロッパでは配送や送迎などの現場でよく見かける、エンジン車の「トランスポーター/カラベル」とそれほど変わらない。ヨーロッパの人にとって、このサイズへの違和感は少ないのだろう。

しかし、日本ではトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」を上回るほぼ2mの幅に躊躇する人も出てくるはずだ。
パッケージングでは、前輪が運転席の前にあることが、運転席の下にあったタイプ2とは異なる。ただ、ID.BUZZのそれは、現代のミニバンとしては定型であり、トランスポーター/ヴァナゴンもこのスタイルだ。
しかも、使用するEVプラットフォーム「MEB」は、すでに日本に導入されているSUVスタイルの「ID.4」などと共通であり、衝突安全性能や快適性能などを含めて考えれば、このプロポーションになるのは当然だろう。
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