それよりもタイプ2と明らかに違うと感じるのは顔つき、より具体的にいえばヘッドランプだ。タイプ2のような丸型ではなく、ID.4やゴルフなどに似た、切れ長の目を思わせる形状になっている。

フォルクスワーゲンによると、IDシリーズとしての統一感を出したとのこと。タイプ2のDNAを受け継ぐより、そちらを優先させたのはドイツメーカーらしいが、その結果、一部の人がタイプ2とは別物だと思ってしまうような顔つきになった。
ドイツ車に丸型ヘッドランプのクルマが、ないわけではない。フォルクスワーゲン・グループの一員であり、親戚筋ともいえるポルシェの「911」は、エンジンの水冷化に合わせてウインカーと一体の涙目としたものの不評で、マイナーチェンジで丸に戻したという経緯がある。

個人的には、フロントを樹脂一体成形のスケルトンパネルとして、その中からすべて丸型のエンブレムとヘッドランプがポッと浮かび上がるような仕掛けにすれば、クラシックとモダンをうまく融合できたのではないかと思ったが、生真面目なフォルクスワーゲン・ブランドにそれを求めるのは難しいことかもしれない。
「現代の定石」に則ったリアコンビランプ
ボディサイドは、リアエンジンのタイプ2が備えていた、リアクォーターピラーの冷却ルーバーっぽいディテールを引き継いだものの、それ以外は今風で、リアについては上下に薄いコンビランプを高い位置に置き、左右をつなげた意匠とするなど、現代のクルマの定石に則っている。

タイプ2は2世代(アーリーバス/レイトバス)とも、リアコンビランプは縦長で低い位置に置かれていたが、丸型ヘッドランプ同様、ID.BuzzではほかのIDシリーズとの統一感を大事にしたようだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら