
中国の自動車市場が転機を迎えている。新車需要を喚起してきた旧型車の「買い替え補助金」の支給を、地方政府が実質的に縮小する動きが相次いでいるのだ。
例えば湖北省政府は9月4日、自動車買い替え補助金の実施細則の見直しを発表し、支給額を3000元(約6万2300円)と5000元(約10万3900円)の2段階に変更した。それまでの支給額は最低7000元(約14万5400円)から最高1万5000元(約31万1600円)までであり、大幅な引き下げだ。
さらに、補助金を受給するためにはマイカーを買い替える前に数量限定のクーポンを取得しなければならないなど、手続きも煩雑になった。
予算枠を使い切れば終了も
湖北省に先立つ8月16日、重慶市は補助金の支給額の基準を変更。EV(電気自動車)とPHV(プラグインハイブリッド車)は車両価格の7%、エンジン車については同6%としたうえで、支給額の上限も設けた。
重慶市ではそれまで、EVとPHVは1台当たり1万5000元(約31万1600円)、エンジン車は同1万3000元(約27万円)の固定額を支給していた。そのため、車両価格が安いクルマほど補助金のお得感が大きい構図になっていたのを是正した格好だ。
それだけではない。基準変更後の補助金支給は、予算枠を先着順に使い切り次第終了することも明言した。湖北省や重慶市のような補助金の実質縮小は、河北省や雲南省などでもすでに実施されている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら