
ネット銀行の2025年4~6月期決算は軒並み減益に沈んだ(記者撮影)
ネット銀行の快進撃に急ブレーキがかかった。利上げの影響を本格的に受ける2025年度の決算が、急速に悪化しているからだ。低金利時代に威力を発揮した住宅ローンへの傾倒は、金利ある世界になっても通用するのだろうか。
減益、減益、減益。大手ネット銀行と流通系のイオン銀行の2025年第1四半期決算は、ほとんどが厳しい結果に沈んだ。金利上昇局面では本来、銀行の利益は増えるはず。にもかかわらず業績が振るわなかった大きな要因は、収益柱である住宅ローンにある。

利上げでも減益の理由
理由の1つは、日本銀行による利上げが住宅ローンの変動金利に反映されるまでの時間差だ。日銀は1月に政策金利を0.25%引き上げ、新規の住宅ローンには順次新たな金利が適用された。だが、貸出金の大部分を占める既存の住宅ローンの変動金利が引き上がるのは、ほとんどの銀行で7月からだ。
住宅ローン金利が据え置かれている間、預金金利は上昇し、預貸金利ザヤは圧迫された。住信SBIネット銀行は前年同期比で何とか横ばいを保ったが、ソニー銀行やPayPay銀行は縮んでいる。
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