競争の激しい住宅ローン市場で気を吐くのがauじぶん銀行だ。条件を満たせば0.169%まで下がる超低金利を武器に、直近10カ月で1兆円もの住宅ローンを実行し存在感を高めている。住宅ローン市場での戦い方やKDDIグループ各社と連携した「経済圏」の戦略、合弁相手である三菱UFJ銀行との関係性をどうみているのか。4月に就任した田中健二社長を直撃した。
金利「0.169%」の秘密
――2015年に住信SBIネット銀行からKDDIに転職しました。最大手のネット銀行からなぜKDDIに転じたのですか。
当時は住信SBIネット銀行が業界1位だった。ただ、(同じSBIグループの中で)顧客基盤を十分に有していたのはSBI証券くらいで、(楽天経済圏を抱える)楽天銀行との競争は今後厳しくなるとみていた。そんな中、KDDIが金融に力を入れるという話を聞いた。KDDIはグループで数千万人もの顧客を有するうえ、通信料などで毎月安定したキャッシュが入ってくる。通信会社が本気で金融を始めたら絶対にうまくいくな、と感じた。
前職在籍時、じぶん銀行(現auじぶん銀行)は分析対象にも入っていなかった。当時のじぶん銀行は決済事業を柱とし、集めた預金は国債で運用するビジネスモデルだった。ただ、カードローンの残高はなかなか伸びず、国債運用も低金利が逆風となり、身動きがとれない状態が続いていた。
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