
中国の新興EV(電気自動車)メーカーの小鵬汽車(シャオペン)は9月15日、ヨーロッパ市場で販売するEVの組み立てをオーストリアの自動車生産受託大手、マグナ・シュタイヤーに委託すると発表した。
EU(欧州連合)は中国製EVに対する追加関税を2024年10月に導入し、従来の関税(10%)と合わせて最大45.3%を課している。中国のEVメーカーにとっては輸出から現地生産への切り替えが不可避であり、小鵬汽車は初期投資負担を抑えられるマグナへの生産委託を選択した格好だ。
小鵬汽車は手始めに主力SUV「G6」と上級SUV「G9」の2車種を、オーストリアのグラーツにあるマグナの工場で生産し、ヨーロッパ各国で販売する。現地生産車の最初のロットはすでにラインオフしたという。
将来は生産車種を拡大
マグナ・シュタイヤーはカナダの自動車部品大手、マグナ・インターナショナルの子会社で、メルセデス・ベンツや(ステランティス傘下の)フィアットなどヨーロッパの自動車大手からも完成車の生産を受託している。
小鵬汽車の説明によれば、マグナのオーストリア工場では前述の2車種だけでなく、セダンや小型SUV、さらに(同社が2025年中の投入を予定している)レンジエクステンダー型EV(訳注:航続距離を延長するための発電専用エンジンを搭載したEV)など、生産車種を増やしていく計画だ。
中国の新興EVメーカーの間では、先行投資の負担を抑えるために既存の自動車メーカーに車両の生産を委託するケースがもともと珍しくない。小鵬汽車も創業4年目の2017年、初の量産車種「G3」の組み立てを(海南省に本拠を置く)海馬汽車に委託したことがある。
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