日産自動車の中国合弁会社である東風日産(正式社名は東風汽車有限公司)が、中国ブランドのEV(電気自動車)の生産を請け負うことがわかった。その目的は、湖北省武漢市にある新鋭工場の稼働率低迷を補うことにある。
東風日産が受託生産するのは、中国側合弁パートナーの国有自動車大手、東風汽車集団の子会社である嵐図汽車(ボヤー)の新型車だ。
中国工業情報化省が開示した新型車の認可リストに、嵐図汽車が発売予定の新型SUV「知音(ジーイン)」が追加され、その生産地点として武漢経済技術開発区にある東風日産の「雲峰工場」の住所が記されていた。
嵐図の販売は前年比倍増
財新記者の取材に応じた東風汽車集団の関係者は、上述の事実関係を認めた。また、嵐図汽車は6月18日、財新記者の取材に対して「新型車の生産準備にあたり、東風グループ内の既存工場の生産能力を有効活用する」と回答した。
東風汽車集団は2020年、EVおよびPHV(プラグインハイブリッド車)の専門ブランドとして嵐図を立ち上げ、翌年に独立企業として分社化した。嵐図汽車に対する東風汽車集団の出資比率は(外部資本の受け入れを経て)、現時点では78.9%だ。
嵐図汽車はこれまでにSUVの「FREE(フリー)」、高級ミニバンの「夢想家(ドリーマー)」、セダンの「追光(パッション)」の3車種を発売。2024年1月から5月までの総販売台数は前年同期の2倍強の約2万5000台に上り、4車種目の投入でさらなる上乗せを目指している。
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