ステランティスが「中国戦略を大転換」する思惑 資産売却でリスク下げ、合弁会社を輸出拠点化

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ステランティスは中国合弁会社の工場資産を東風汽車集団に売却する。写真はプジョー車を生産する合弁会社の生産ライン(神龍汽車のウェブサイトより)

中国とヨーロッパの合弁自動車メーカーである神龍汽車(東風プジョー・シトロエン)が、中国戦略の大転換を進めている。同社の中国側パートナーである国有自動車大手の東風汽車集団は10月19日、神龍汽車が湖北省武漢市と襄陽市に保有する土地と建物を、総額17億1400万元(約351億円)で買い取ると発表した。

これらの土地と建物は、神龍汽車がプジョー・ブランドとシトロエン・ブランドの自動車を生産している工場にほかならない。とはいえ、神龍汽車は自動車生産から撤退するわけではない。取引の完了後、東風汽車集団は買収した工場を神龍汽車にリースするとしている。

出資比率や役員構成は変わらず

神龍汽車は1992年、フランス自動車大手のPSA・プジョー・シトロエンと東風汽車集団の折半出資で設立された。その後、PSA・プジョー・シトロエンは国際的な買収・合併を経て、現在はステランティスとなった。

今回の取引により、ステランティスは中国における自社保有の工場資産を失うことになる。しかし東風汽車集団は発表のなかで、同社およびステランティスの神龍汽車に対する出資比率や役員構成に変更はなく、両社が引き続き共同で合弁会社の発展をサポートすると強調した。

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