中国の自動車市場で、日本車の苦戦が鮮明になってきた。日産自動車が2月6日に公表した1月の中国市場の販売データによれば、同月の販売台数は4万7521台にとどまり、前年同月比64.4%の大幅減を記録した。
日産に先立ち販売データを公表したトヨタ自動車とホンダも、販売台数を大きく落とした。トヨタの1月の販売台数は11万3800台と前年同月比23.5%の減少、ホンダは同6万4193台と同56.2%の減少だった。
1月の販売不振は日系メーカーに限った話ではない。中国政府は2022年12月末をもって、エンジン車の自動車取得税の軽減措置と「新エネルギー車」の普及促進の補助金を打ち切った。それに伴う駆け込み需要の反動に加えて、春節(旧暦の正月、今年の元日は1月22日)の連休期間が1月下旬に重なり、自動車販売店の営業日数が減少したことも影響した。
(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、電気自動車[EV]、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)
中国勢の市場シェアが5割に
とはいえ、販売の落ち込みは新エネルギー車よりもエンジン車のほうが大きい。自動車販売の業界団体である全国乗用車市場信息聯席会のデータによれば、中国市場での2023年1月1日から27日までのエンジン乗用車の販売台数は68万1000台と、前年の同じ期間の半分未満に縮小した。
日系メーカーはEVシフトへの対応が保守的で、中国市場の急速な変化に後れをとった。通年の販売データを見ると、2022年のトヨタの販売台数は前年比0.2%減の194万600台、ホンダは同12.1%減の137万3000台、日産は同22.1%減の104万5000台にとどまり、大手3社がそろって市場シェアを落とした。
それとは対照的に、中国の地場メーカーはEVシフトとクルマのスマート化に邁進し、市場シェア拡大に成功した。中国汽車工業協会のデータによれば、(外資との合弁会社を除く)中国メーカーの2022年の販売台数は前年比22.8%増の1176万6000台に達し、乗用車市場の5割を獲得した。
「中国の自動車市場の規模はおおむね安定しており、新車販売の需要は(初めてのマイカー購入よりも)買い替えが中心になっている。そんななか、(ユーザーが)エンジン車から新エネルギー車へ、外資系ブランドから中国ブランドへ乗り換える動きが加速している」
新エネルギー車の動向に詳しい業界関係者は、日系メーカーの苦戦の背景をそう解説する。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は2月7日
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