フランスの自動車大手ルノーと中国の東風汽車集団は4月14日、両社が50%ずつ出資する乗用車の合弁会社「東風ルノー」の持ち株をルノーが東風に売却すると発表した。
東風側の説明によれば、中国自動車市場の低迷と東風ルノーの経営状況に鑑み、両社が合弁会社の株式譲渡およびルノー・ブランド事業の中止に関する覚書に署名した。ルノーは中国市場から撤退はせず、今後は電気自動車(EV)や小型商用車に力を入れる方針だ。
東風ルノーは2013年12月に国家発展改革委員会の認可を受けて設立され、湖北省武漢市に工場を建設。2016年3月に初の現地生産車「科雷嘉(カジャー)」を発売した。2017年10月に発表した中期計画では、2022年までに9車種の国産新型車を投入して年間40万台の販売を目指すとしていた。
2019年の販売台数は前年比63%減
東風ルノーは現在、3車種のガソリン・エンジン車と1車種の電気自動車を中国で生産している。しかしルノー・ブランド車の売れ行きは目論見に反して不振に陥っていた。
中国の自動車市場は2018年後半から調整期に入り、2019年の新車販売台数は前年比8.2%減少した。そんななか、東風ルノーの2019年の販売実績は前年比63%減の1万8500台と、市場全体の落ち込みを大幅に超える惨憺たるありさまだった。
ルノーに近いある関係者は、「東風ルノーからの撤退は合理的な決断だ」と話す。ルノーは日本の日産自動車とアライアンスを形成しており、日産は2002年から東風汽車集団と合弁を組んでいる。合弁会社「東風日産」は2019年に117万台の乗用車を販売。その数は東風ルノーの60倍以上だ。
「まるで勝負にならないのに、なぜ(アライアンスの)内輪で競合する必要があるのか」と、そのルノー関係者は語った。
(財新記者:陳雪婉)
※原文は4月14日配信
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