中国の油圧ショベル、工事続々再開で追い風 工期短縮ニーズと公共インフラ投資が後押し

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新型コロナの流行が一段落した中国では、建設工事の遅れを取り戻すため油圧ショベルの需要が増加している(写真はイメージ)

油圧ショベルの販売実績は、インフラ建設投資の最新動向を捉えるために有用な指標だ。中信建投証券の呂娟氏のチーム(訳注:呂氏は機械建材業界が専門の著名アナリスト)が4月6日に発表した調査リポートによれば、油圧ショベル業界の3月の総販売台数は4万9408台と前年同月比11.59%増加。そのうち94%が中国国内向けだった。

中国では新型コロナウイルスの流行拡大防止策が1月下旬から強化され、全国の工事現場のほとんどが休止に追い込まれた。しかし3月下旬までに国内の流行はほぼ落ち着き、工事が続々と再開されている。

そんななか、休止期間の遅れを取り戻すため工期全体を短縮する動きが広がっている。呂氏のチームは、この工期短縮ニーズが国内の建設機械需要を押し上げていると分析する。

政府の特別債発行でインフラ建設加速

一方、海外市場の見通しは厳しい。油圧ショベルの3月の輸出台数は2798台と、前年同月比17.71%増加した。とはいえ新型コロナの流行が海外で急拡大したのは3月後半からであり、それ以前の海外市場はほとんど影響を受けていなかった。

「新型コロナの世界的大流行で、4月以降の油圧ショベルの輸出は大きく落ち込む可能性がある」。建機大手の山河智能装備の国際セールス担当者は、財新記者にそう懸念を示した。

本記事は「財新」の提供記事です

今後は国内の公共インフラ投資が建機需要を牽引しそうだ。中国財政省の許宏才・副大臣は4月3日の記者会見で、今年3月末までに全国で新規に発行された特別債が総額1兆8000億元(約27兆7600億円)に達し、前年同期比63%増加したと明らかにした。

これらの特別債は交通、エネルギー、農林業のインフラ整備、環境保護、社会福祉サービスの充実、コールド・チェーン物流網の構築などに重点的に投じられる。「建機業界全体にとって追い風だ」と、山河智能装備の担当者は話す。

中信建投証券の呂氏のチームは、2020年の油圧ショベル業界の総販売台数を前年比8.87%増の25万6600台と予想している。

(財新記者:方祖望)
※原文は4月07日配信

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