工場やオフィスの再開が進む中、4月1日に発表された3月の財新中国製造業購買担当者指数(PMI)は50.1を記録。新型コロナウイルス流行の影響で過去最低に落ち込んだ2月から9.8ポイント回復し、好不況の判断の目安とされる50をわずかに上回った。
製造業の景況感は着実に回復してきたが、改善の度合いはまだ限られているようだ。この傾向は国家統計局が3月31日に発表した製造業PMIとも一致する。国家統計局の3月の製造業PMIは前月比16.3ポイント増の52だった。
全国各地の工場の操業停止や交通制限により、2月の製造業の生産高は過去最大の減少幅を記録した。その後、規制が徐々に緩和されたのに伴って3月の生産高は増加に転じた。ただし、新規受注指数は前月比では著しく回復したものの、依然として縮小トレンドの範疇にある。
景気回復期待で企業家のマインドは好転
調査対象企業の多くから、新型コロナウイルス流行の影響で受注の延期やキャンセルが続いているとの回答があった。また、ウイルス流行が全世界に広がったため、3月の新規輸出受注は大幅に落ち込んだ。
3月の購買在庫指数は前月より上昇したものの、ここ数年の最低水準にとどまっている。製造業では新型コロナの影響で物資の輸送が困難になり、既存在庫の取り崩しを余儀なくされて原材料在庫が減少した。その一方、完成品の出荷も滞ったため完成品在庫指数は拡大に転じた。
財新グループのシンクタンクCEBMのチーフ・エコノミストを務める鐘正生氏は、製造業の現状について「二重の圧力にさらされている」と説明する。原材料不足などで生産活動がまだ十分に再開できないなか、外需は悪化し、内需の回復も遅れているのが実態だ。
とはいえ企業家のマインドは好転しており、雇用吸収力も新型コロナ流行前の水準に戻ってきた。「迅速な経済立て直しに向けたいい基盤が整ってきた」と鐘氏は見る。
(財新記者:張娯)
※原文は4月1日配信
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