中国の三大通信事業者の一角を占める中国電信(チャイナ・テレコム)は、2019年の決算報告書を3月24日に発表した。それによれば、2020年の設備投資額は850億元(約1兆3007億円)と前年比9.6%の増加を見込み、うち453億元(約6932億円)を次世代通信規格「5G」のネットワーク整備に充てる計画。この投資額は19年の92億6500万元(約1417億円)の4.9倍である。
これにより三大事業者の5Gへの投資計画が出そろった。最大手の中国移動(チャイナ・モバイル)の投資額が抜きん出ており、1000億元(約1兆5303億円)に達する。中国通信と共同で5Gネットワークを整備する中国聯合通信(チャイナ・ユニコム)は350億元(約5356億円)を投じる予定だ。
中国電信は19年末までに5Gの基地局を4万カ所設置した。中国聯合通信が設置して共有する2万カ所と合わせて6万カ所となり、中国国内の50都市以上の主要エリアをカバーしている。
年末までに基地局30万カ所稼働を目指す
決算発表で会見した董事長(会長に相当)の柯瑞文氏によれば、直近ではすでに8万カ所が稼働し、さらに年末までに中国聯合通信と共同で25万カ所を整備する。そのうち14万カ所の整備を中国電信が担い、9月末までに完成させたいという。もくろみ通りに運べば、年末までに稼働する基地局は30万カ所に達する。
今年2月末の時点で、中国電信の5Gプランの契約数は1073万件。5Gの一契約当たり月平均データ通信量(DOU)は13.2ギガバイト、一契約当たり月平均売上高(ARPU)は91.9元(約1400円)と、4Gからの移行前より約10%増加した。年内に5Gプラン契約数の6000万~8000万件の純増を目指す。同様に中国移動は7000万件、中国聯合通信は5000万件を目指している。
新型コロナウイルスの流行を受け、中国電信では2月のモバイル通信利用者数の減少が500万人を超えた。三大事業者の合計では2月の減少は2000万人近くに達する。
中国電信副総経理(副社長に相当)の王国権氏によれば、2月の利用者数が減少したのはウイルスの感染拡大期に多くの取扱店舗が閉鎖を余儀なくされたためで、3月には春節(中国の旧正月)前の水準に回復したという。
(財新香港駐在記者 劉雁菲)
※原文は3月24日配信
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