科学研究者たちは新型コロナウイルスの起源に関する研究をいまも続けている。最近、南方医科大学公共衛生学院三級生物安全実験室のある研究論文では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が発生した期間は2019年9月23日から2019年12月15日の間である可能性が高いと発表された。
また新型コロナウイルスと遺伝子配列が最も似ているコウモリが持つコロナウイルス「RaTG13」には時間的な進化関係が存在せず、新型コロナウイルスはRaTG13が進化したものではない可能性が高いことがわかった。
この論文のタイトルは「コロナウイルスSARS-CoV-2の変異と進化の分析」であり、『南方医科大学ジャーナル』に発表された後、2月22日に中国知網に初めて掲載され、査読を通過した。研究員はデータベース・GISAIDから45の新型コロナウイルスの全長遺伝子配列をダウンロードし、その中の39の遺伝子配列のウイルスの「最近共通祖先時間」(tMRCA、訳注:あるウイルス集団のすべてを子孫として、最も近い共通の祖先に遡るまでの時間)を計算した。
また、その他のコロナウイルスの遺伝子配列はNCBI(アメリカ国立生物工学情報センター)のデータベースからダウンロードした。GISAIDは多くのノーベル賞受賞者や世界有数の科学者が署名し成立しているオープンプラットフォームで、インフルエンザウイルスデータ情報の共有状況を改善するために設立され、現在はさまざまな感染症に対応している。
ウイルスの進化に関する時間情報を分析
研究者はソフトウェアを利用し新型コロナウイルスとその他のコロナウイルスの間にある進化に関する時間情報を分析した。2020年1月23日を0時間と設定し、1日を1単位としてウイルスの最近共通祖先時間を推算した。
するとウイルスの最近共通祖先時間の平均時間は73日前の2019年11月10日となり、95%の信頼がおける区間は38.9-119.3日の間という結果が出た。この結果が表しているのはウイルスの発生時期が1月23日から38.9-119.3日前ということになり、2019年9月23日から2019年12月15日の間であるということだ。
ただ研究者は「当該研究には一定の制約があり、本文中のtMRCAに関する推算対象となる時間は30日間のみと非常に短く、この結果が正確ではない可能性も高い」としている。
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