北京で「脳脊髄液から新型コロナ検出」の衝撃

「未知のウイルス」は脳炎をも引き起こすのか

新型コロナウイルスについては解明されていないことが多い ※写真はイメージ(写真:財新記者 丁剛)
3月7日に山梨県で20代男性が、日本で初めて新型コロナウイルス性髄膜炎(脳と脊髄を包む膜の炎症)と診断された。北京でも新型肺炎患者の脳脊髄液から新型コロナウイルスが検出され、中枢神経系への侵入例として注目されている。中国の独立系メディア「財新」取材班が、”未知のウイルス”の正体に迫った。

新型コロナウイルスが肺炎だけでなく、脳炎を引き起こすかどうかが注目を集めている。

このほど首都医科大学付属北京地壇病院は、新型肺炎患者の脳脊髄液(訳注:脳室やクモ膜下腔を満たす無色透明の液)から新型コロナウイルスが検出され、ウイルス性脳炎であると臨床診断されたと発表した。これは、新型コロナウイルスが患者の中枢神経系を攻撃する可能性を示す1つの証拠だ。

56歳男性患者は顎が頻繁にけいれん

ウイルス性脳炎は比較的よくみられる中枢神経系の感染症だ。患者の発症時の臨床症状はけいれん、意識障害、反応の鈍さ、四肢まひ、髄膜(訳注:脳と脊髄を包む膜)刺激症状などである。

本記事は「財新」の提供記事です

地壇病院で治療を受けていた56歳の男性患者は、新型肺炎の発症から10日目にいらいらし始め、落ち着かなくなった。これは軽度の神経系ダメージの症状の1つとみられている。

そのとき患者は危篤状態となっていた。急性呼吸不全となり、すぐさまICU(集中治療室)に運び込まれ、気管挿管(訳注:気道確保方法の1つ)などを受けた。4日間の治療を経て呼吸不全が改善し、医師は鎮静(訳注:薬物などで神経の興奮を鎮めること)を中止した。

だがこのとき、患者は顎と口元が頻繁にけいれんし、げっぷも続き、四肢の筋張力が高まり、両膝の反射は過剰になり、両足のバビンスキー反射(訳注:病的な反射の一種)などの症状も出ていた。神経系がダメージを受けた際の典型的な臨床症状である。

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