北京で「脳脊髄液から新型コロナ検出」の衝撃 「未知のウイルス」は脳炎をも引き起こすのか

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ひとたび患者が説明不能な意識不明状態に陥ったならば、ウイルス性脳炎を疑うべきだ。この点でも地壇病院の症例が参考になる。財新の調査によると、湖北省武漢における初期の数十の死亡例において、意識不明状態になったケースが多く見られた。だが、当時の症例に関する資料は限られており、専門家チームも意識不明の原因を確定できていない。

突発的な意識障害や意識不明は要注意

地壇病院が今回の症例を公表した文章の中で、重症医学科主任の劉景院は第一線の医療関係者に対し、次のように注意を促している。

「臨床観察で項部硬直(訳注:後頭部やうなじの筋肉が反射的に緊張して生じる抵抗)が見つかれば、それは陽性であることを意味する。突発的な意識障害や意識不明に至った場合は、新型コロナウイルスが中枢神経系に感染した可能性を念頭に置き、直ちに脳脊髄液の検査を実施し、新型コロナウイルスの核酸検査(訳注:PCR検査など)を行う必要がある」

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一方、今のところ新型コロナウイルスが脳脊髄液に侵入したという症例は極めて少ない。地壇病院は3月4日7時までに合計150人の新型肺炎患者を治療しており、そのうち新型コロナウイルス肺炎と脳炎を併発した患者は今回の1名のみである。

(財新記者:趙寧、福林)
※敬称略。原文は3月9日の現地時間9:48配信

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財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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