中国の出前アプリ「美団点評」赤字逆戻りのワケ 2019年に黒字化を果たすもコロナ禍が直撃

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中国の繁華街にかつての賑わいが戻るのはいつの日か。写真はイメージ(編集部撮影)

「新型コロナウイルス流行の影響で、外食産業のデリバリーや店内飲食、旅行関連事業が需要と供給の両面で大きな試練に直面している。2020年1~3月期の売上高はマイナス成長、損益は赤字を見込んでいる」

スマートフォンの出前アプリなどを手がける美団点評は3月30日、2019年の業績を発表。今後の事業環境について厳しい見通しを示した。同社は2019年4~6月期から3四半期連続で黒字を計上。事業基盤を固めつつあったが、新型コロナの直撃を受け赤字に逆戻りする。

美団点評の経営は新型コロナの流行直前まで好調だった。2019年10~12月期の売上高は281億5800万元(約4302億円)と前年同期比42%増加。純損益は前年同期の34億元(約519億円)の赤字から14億6000万元(約223億円)の黒字に転換し、ともにマーケットの予想を上回った。

規模のメリットで主力事業の収益性改善

通年の損益も黒字化を果たした。2019年の売上高は前年比49.5%増の975億2800万元(約1兆4902億円)。無形資産償却費などを差し引いた調整後純損益は2018年の83億4600万元(約1275億円)の赤字から46億5700万元(約711億円)の黒字に転換した。

本記事は「財新」の提供記事です

2019年10~12月期は美団点評の主力事業である出前アプリの収益性が改善し、同事業の粗利率が2018年の13.8%から18.7%に上昇した。その要因について同社は、規模のメリットによるデリバリー網の効率化とオンライン・マーケティング収入の増加を挙げた。2019年通年の出前アプリの総取扱高は前年比38.9%増、1日平均の取引件数は同36.4%増を記録。一方、配達員に支払う委託費用は同34%増にとどまり、規模のメリットを裏付けている。

CFO(最高財務責任者)の陳少匯氏は電話を通じた決算説明会で、「新型コロナウイルスの流行が我が社の長期的なビジネスモデルや収益見通しを変えることはない」と強調。優先すべき目標は事業の成長や経営効率の改善であり、短期的な利益率ではないとした。

(財新記者:銭童)
※原文は3月31日配信

財新 Biz&Tech

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