武漢コロナ死者「遺骨数」が政府発表上回る謎

公式死者数並みの「感染疑いの死者」が存在か

武漢市の葬儀場では遺骨を待つ遺族が200メートル近い列を作っていた(写真:財新記者 丁剛)
新型コロナウイルスの感染源である武漢で、新型肺炎による死者の遺骨引き渡しが始まった。「財新」取材班は200メートル近い大行列をリポート。葬儀場が発注した骨壺の数が、公式発表された2500人余りの死者数と不釣り合いだと中国のSNSなどで話題になった。現地の医師からの新証言も飛び出している。

3月26日午前8時、(武漢市の)漢正街に住む劉萍(リウピン、仮名)は、社区(訳注:団地のようなコミュニティー)の担当者に案内され、武漢市漢口葬儀場に到着し、長い長い列に加わった。亡くなった父の遺骨を受け取りに来てもよいとの通知を、前日の午後に受け取っていたのだ。

漢口葬儀場には、200メートル近い長蛇の列が2つできていた。3月23日、武漢では新型コロナウイルスで亡くなった人の遺骨を各葬儀場から受け取ることが許可された。それ以来、葬儀場や共同墓地では、こうした行列がよく見られる。

「父は新型肺炎に間接的に殺された」

劉萍の父は脳腫瘍で入院していた。だが、1月末に病院が新型肺炎患者を治療するために病室を空にした。父は家に帰るしかなかったが、自宅には治療環境がなく、病状はますます重くなっていった。

病院は3月初めに外来診察を再開。父はようやく再入院することができたが時すでに遅く、数日後に亡くなった。「この病気は本当に人を害するものだ。父は新型肺炎で死んだわけではないが、間接的に殺されたのだ」(劉萍)。

本記事は「財新」の提供記事です

午後2時になり、劉萍は父の遺骨をようやく受け取った。そばで待っていたボランティアは黒い傘を持ち、劉萍を葬儀場のホールから送り出した。静けさに包まれたホールでは、時折かすかにすすり泣く声が聞こえてくる。「私の涙はすっかり枯れてしまった。今はただ、父の後事をきちんと終えたいだけだ」と劉萍は話す。

次ページ現地医師の新証言とは?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • コロナショックの大波紋
  • 高城幸司の会社の歩き方
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
先陣切った米国の生産再開<br>透けるトヨタの“深謀遠慮”

米国でトヨタ自動車が約50日ぶりに5月11日から現地生産を再開しました。いち早く操業再開に踏み切った背景にあるのが、日本の国内工場と米トランプ政権への配慮。ドル箱の米国市場も国内生産も守りたい巨大グローバル企業の深謀遠慮が垣間見えます。