コロナで運休続出「海運業界」迎える大試練

3月は世界のコンテナ船輸送力の11%が運休

海上運輸はグローバルな貨物輸送の90%以上を担っている(写真はイメージ)

新型コロナウイルスの世界的大流行により、海運業界が未曾有の試練に直面している。今回の危機の大きさは、新型コロナの流行が主に中国国内にとどまっていた時期の一時的な停滞とは比較にならない。

欧州や北米では消費支出が激減しており、貨物輸送は巨大な下方圧力を受けている。イギリスの海運調査会社MSIは、アジアと欧州を結ぶユーラシア航路の2020年3~5月の輸送量が前年同期比17.8%減少し、アジアと北米を結ぶ太平洋航路も同13~15%落ち込むと予想する。

世界各国が新型コロナの流行拡大防止策を強化するなか、コンテナ船業界の景況感は急速に悪化している。MSIの最新の月次レポートは、2020年のコンテナ船輸送量の縮小は避けられず、その衝撃は2008年のリーマン・ショックを超えるかもしれないと警告している。

海外工場停止で輸出企業にキャンセル殺到

海上運輸は輸送力の大きさと運賃の安さにより、自動車や大型機械から衣料品や雑貨に至るまで、グローバルな貨物輸送の90%以上を担う。専用船を必要としない普通貨物の大部分はコンテナ船で運ばれている。

「海外では工場の操業が次々に停止し、中国の輸出企業への注文が大量にキャンセルされている。4月の輸送量は大幅に落ち込むだろう」。スイスの国際物流大手キューネ・アンド・ナーゲルの中国法人の担当者は、財新記者に厳しい見通しを語った。

本記事は「財新」の提供記事です

この担当者によれば、新型コロナの世界的大流行は医薬品と生活必需品を除くほとんどの業界に深刻な影響を与えている。ロックダウン(都市封鎖)により店舗の営業が禁止され、自動車、家電製品、アパレル、雑貨、酒類などさまざまな商品の販売が困難になった。

輸送需要の急激な収縮を受け、海運業界では貨物航路の削減や運休が相次いでいる。フランスの海運調査会社アルファライナーのデータによれば、2020年3月に全世界で運休したコンテナ船は402隻。その積載容量は20フィートコンテナ換算で250万個分に上り、世界のコンテナ船輸送力全体の11%に達する。

(財新記者:賈天瓊)
※原文は4月4日配信

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