中国の複数の体外診断薬メーカーが海外で批判を浴びている。これらのメーカーが輸出した新型コロナウイルス検査キットの品質に問題が指摘されたためだ。
これを受けて3月31日、中国商務省、海関総署(税関)、国家薬品監督管理局が連名で公告を発表。税関は薬品監督部門が認可した医療機器登録証明書に基づいて輸出貨物を審査すると申し渡した。要するに、中国国内で認可・登録されていない検査用試薬は今後は輸出できないという意味だ。
公告によれば、新型コロナウイルスの検査キットや医療用マスクを輸出する企業は税関に申告する際、輸出製品が医療機器の製品登録証明書を取得しており、さらに輸入国の品質基準を満たしているとの誓約を書面または電子的な方法で提出しなければならない。この規制は4月1日から実施され、新型コロナの流行状況に応じて随時見直される。
スペインに輸出された試薬の感度は30%
監督強化の狙いについて公告は、「新型コロナウイルスの世界的大流行との戦いを効果的に支援するため、製品の品質と安全性を保証し、輸出の秩序を整える」ことだと説明している。
検査用試薬は輸出管理の分類では医療機器のカテゴリーに属する。国家薬品監督管理局の規定では、医療機器の登録証明書と生産許可証をすでに取得済みか、またはその手続きを済ませている製品に関しては、企業が所在する省レベルの食品・薬品監督管理部門が輸出販売証明を発行できることになっている。
ところが実際には、一部の企業は国内の登録証明書を取得しないまま製品を海外に輸出していた。スペインで批判を浴びた広東省深圳市の易瑞生物技術もそのなかの1社だ。
スペインの大手日刊紙「エル・パイス」の3月26日付報道によれば、易瑞生物技術がスペインに輸出した新型コロナウイルスの抗原検査薬の感度はわずか30%で、期待値の80%を大きく下回ったという。
3月27日、易瑞生物技術は声明を出し、同社の新型コロナウイルス検査用の4製品は欧州連合(EU)の品質・安全基準を満たす「CEマーキング」を3月12日に取得済みだとした。また同社は、スペインの病院が被験者の鼻咽頭から検体を採取する際の手順を厳密に守っていない可能性があり、それが感度低下に関係している可能性があると主張している。
易瑞生物技術の製品は国家薬品監督管理局の登録証を取得しておらず、中国国内では販売されていない。
(財新記者:彭岩鋒、屈慧)
※原文は4月1日配信
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