中国自動車大手が「マレーシア」に大規模生産拠点 吉利が現地企業と共同で、2035年に50万台規模

✎ 1〜 ✎ 198 ✎ 199 ✎ 200 ✎ 201
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
マレーシアのAHTVプロジェクトには中国政府も関心を寄せている。写真は現地を視察した金壮龍・工業情報化相(中央左側の人物、プロトンのウェブサイトより)

中国の民営自動車大手の吉利控股集団(ジーリー)が、マレーシアに大規模な自動車工業団地を建設している。同社がマレーシアの複合企業、DRBハイコムと共同で進める「自動車ハイテクバレー(AHTV)」プロジェクトだ。

AHTVの建設地は、マレーシア・ペラ州のタンジュン・マリム地区にある。中国政府の金壮龍・工業情報化相は、マレーシアを訪問中の6月18日に現地を視察し、吉利からプロジェクトの説明を受けた。

それによれば、2035年までにAHTVに年産50万台規模の完成車工場を建設し、そのうち50%を輸出する。さらに、年間100万台相当の自動車部品の生産能力も構築し、同じく半分を世界各地に供給する計画だ。

プロトンに出資して再建

吉利とDRBハイコムは2017年から協業関係にある。同年5月、吉利はDRBハイコムの100%子会社だったマレーシア自動車大手、プロトンの株式の49.9%を買い取り、東南アジア進出の橋頭堡を確保した。

プロトンはマレーシアの国民車メーカーとして1983年に設立されたが、2000年代に入ってから経営が徐々に傾き、吉利が資本参加する前は赤字続きだった。

そんなプロトンを立て直したのが、同社のCEO(最高経営責任者)として辣腕を振るう李春栄氏だ。中国出身で国有自動車大手の東風汽車集団の幹部だった李氏を、吉利は2017年にスカウトしてプロトンに送り込んだ。

「わが社の経営は2019年に黒字化した。販売台数も最悪期の年間6400台から、2023年には15万4000台に拡大した」。李氏は最近、メディアのインタビューに応じた際にそう胸を張った。

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事