日産の中国工場が「中国ブランドEV」を受託生産 東風汽車系「嵐図」から。余剰生産能力を活用

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東風日産の雲峰工場は、総額98億5000万元(約2139億円)を投じて2021年11月に竣工。年間30万台の生産能力を持ち、同じラインでエンジン車、HV(ハイブリッド車)、EVを混流生産できる。

日産は独自のHV技術「e-POWER」を中国に導入したが、販売回復に結びついていない(写真はe-POWERを紹介する東風日産のウェブサイトより)

雲峰工場では現在、日産ブランドのエンジン車の「エクストレイル」、そのHV版である「エクストレイル e-POWER」、EVの「アリア」などを生産している。しかしそれらの売れ行きが伸び悩み、生産ラインの稼働率が低迷していたため、嵐図汽車の受託生産を受け入れる余力があった。

日産の販売は5年で半減

中国市場における日産車の販売台数は、最盛期の2018年には156万台に達し、トヨタやホンダを抑えて日系メーカーのトップに立っていた。だが、中国市場の急速なEVシフトへの対応が遅れ、2022年から販売台数の急減に見舞われた。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

2023年の販売台数は79万3000台と、前年比2割を超える落ち込みを記録。年間100万台の大台を割り込み、5年前のピークの半分に縮小してしまった。

日産車の販売は、2024年も楽観できない状況が続く。東風日産の1月から5月までの販売台数は28万2000台と、前年同期比6.3%増加した。しかしEVに限れば、同期間のアリアの販売台数はわずか1400台余りにとどまった。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は6月18日

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