中国新興EV「理想汽車」、通期で初の黒字化を達成 2023年の販売37万6000台、24年は80万台目指す

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理想汽車は中国の新興EVメーカー群のなかで通期黒字化に一番乗りを果たした。写真は主力のレンジエクステンダー型EV(同社ウェブサイトより)

中国の新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(リ・オート)は2月26日、2023年の通期決算を発表。最終利益として118億1000万元(約2471億円)を計上し、創業以来初の通期黒字を達成した。同社の2023年の販売台数は37万6000台、通期売上高は1238億5000万元(約2兆5909億円)だった。

2015年に創業した理想汽車は、ライバルの蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(シャオペン)とともに中国の新興EVメーカー群の「トップスリー」と呼ばれてきた。蔚来汽車と小鵬汽車が車載電池のみで走行する「純EV」で先行したのに対し、理想汽車は航続距離を延長するための発電専用エンジンを搭載した「レンジエクステンダー型EV」に注力する戦略をとった。

(訳注:レンジエクステンダー型EVは、中国の販売統計ではプラグインハイブリッド車[PHV]に分類される)

レンジエクステンダー型に追い風

レンジエクステンダー型EVは車載電池の搭載量が(純EVよりも)少なく、販売価格を割安にできると同時に、EVとほとんど変わらないドライビング体験をユーザーに提供できる。さらに、電池が残り少なくなってもガソリンを給油すれば走り続けられるため、(純EVに付き物の)電池切れの不安がない。

こうしたメリットが消費者に認知され、レンジエクステンダー型EVの販売はPHVとともに2022年から急速に伸びている。その追い風を受けた理想汽車は、前述のトップスリーのなかで通期黒字化の一番乗りを果たした。決算報告書によれば、同社には2023年12月末時点で1036億7000万元(約2兆1687億円)の手元資金があり、財務状況にも余裕がある。

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