スープラにXX…KINTO「旧車愛ビジネス」の深み 新車サブスク企業が送る「わナンバー」旧車

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「わナンバー」を装着するJZA70型スープラ(筆者撮影)
「わナンバー」を装着するJZA70型スープラ(筆者撮影)

そうだ、旧車に乗ってみよう――。

1970年代から1990年代あたりの日本車が今、「ネオクラシック」と呼ばれ、当時を知らない若者たちからも注目されている。しかし、古いクルマを実際に購入・維持するのは簡単なことではない。

そこで生まれたのが、ネオクラシックに誰でも気軽に乗れる仕組み。クルマのサブスクリプション(サブスク)大手のトヨタ系KINTOが導入した、「Vintage Club by KINTO」だ。

訪れたのは、埼玉県さいたま市の埼玉トヨペット・浦和美園支店。GR Garageとなっている店舗に入ると、1982年式「ソアラ 2.8GT-Limited(Z10型)」が出迎えてくれた。それと同時に、遠い記憶が蘇ってくる。

ソアラと取材協力していただいた埼玉トヨペット浦和美園支店GR Garageの本間拓氏と川尻正氏(筆者撮影)
ソアラと取材協力していただいた埼玉トヨペット浦和美園支店GR Garageの本間拓氏と川尻正氏(筆者撮影)

1981年にヤマハ発動機の袋井テストコースで実施された、トヨタ自動車(以下、トヨタ)の報道陣向けソアラ試乗会の場面だ。

当時としては極めて珍しかった、デジタル表示を多用した斬新なダッシュボードデザインや上質なインテリアに驚き、そして2.8リッターのパワーとトルクに魅了された。

まさに、次世代の日本車を実感した瞬間だった。正直なところ、あれから43年もの歳月が過ぎてしまったという実感がない。

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筆者がアメリカで経験したクルマたち

さて、今回は2024年3月からのVintage Club by KINTO 「埼玉キャラバン」実施を前に単独取材をさせていただいた。

試乗車は、1985年式の「セリカXX(ダブルエックス)2000GT(GA61型)」と1992年式の「スープラ 2.5GTツインターボエアロトップ(JZA70型)」。両モデルとも1980年代から1990年代にかけて、日本とアメリカで筆者が数多く乗ったクルマだ。

今回、試乗したセリカXX2000GTとスープラ2.5GTツインターボエアロトップ(筆者撮影)
今回、試乗したセリカXX 2000GTとスープラ 2.5GTツインターボエアロトップ(筆者撮影)

特に「セリカXX」は、筆者にとって思い出深い。当時は北米仕様が「スープラ」を名乗っており、そのパーツが日本で人気となったり、初期のモデルではフェンダーミラーをドアミラーに加工する需要が高まったりした中で、筆者はアフターマーケット用パーツ開発に関わっていたからだ。

次ページ80年代のセリカXXと90年代のスープラ、その違い
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