同店の本間拓氏は「昭和レトロブームもあり、当時を知らない20代と、当時は手が届かず乗る機会のなかった50代が主流だった」と顧客層を分析した。首都圏以外の遠方からの顧客もいたという。
こうしたプログラムの実施効果については「GR Garageへの来店のきっかけとなっており、とてもありがたい」とし、今後については「弊社はトヨペットなので、歴代『マークⅡ』にも興味がある」と個人としての要望も添えてくれた。
なお、各モデルの型式については、今回の取材に対して提示された資料に基づく。
トヨタとKINTO、そして新明工業の3社で
試乗後、Vintage Club by KINTOの実状について、KINTO本社に詳しく聞いた。まずは、実施に至った経緯からだが、起点は「とあるきっかけ」で前述の1982年式Z10型ソアラを譲り受けたことだという。
それから「旧車で何かおもしろい企画ができないものか」と考えていたところ、トヨタと新明工業のエンジニアが旧車の活用先を模索していることを知り、3社が協力した構想を立案する。
新明工業は、愛知県豊田市に本社を置く1949年創業の企業で、1957年にトヨタとパートナーシップを結ぶ。現在の事業内容は、電動化設備、組立設備、FAシステム、カーサービス、特装車制作の大きく5本立て。従業員は単体で1050人(連結1500人)、年商は単体300億円(連結400億円)だ。
同社の沿革によれば、レストア商品の販売は1989年から開始し、1997年にアンティーク・ボディ・ショップ(クラシックカーのレストア専門工場)を設立している。
トヨタとしては、SDGsという観点での旧車への取り組み、熟練技術者から若手への技術伝承、そして新車開発に「旧車とのふれあいから得られた知見をフィードバックさせたい」という思いがあったという。
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