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セブン、買収危機脱するも8月上旬発表の中期経営計画は期待薄? 独立路線を貫くうえでカギを握る北米子会社との関係・・・「ジャパン優遇」を見直すか

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5月に就任したデイカス社長は8月に新中計を公表する。デイカス氏はセブン&アイの企業統治を変革できるか(撮影:尾形文繁)

約1年間にも及ぶ、カナダ競合大手からの買収提案がひとまず終結した。

昨年夏にセブン&アイ・ホールディングスへ買収提案を行っていたカナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールは、日本時間の7月17日、提案を撤回すると発表した。

セブン&アイからすれば、外資からの買収という危機を乗り越えたかのようにも見えるが、「条件が整い次第、彼らはまたやってくる」というのが、セブン&アイ社内の共通認識だ。高値での買収期待から高まっていた株価は、買収撤回を機に急落。今後はアクティビスト(物言う株主)からの反発も予想される。

新中計に「期待できない」との声も

外圧が高まる中、8月6日には、5月に就任したスティーブン・ヘイズ・デイカス社長による新しい中期経営計画の発表を控えている。その中身に注目が集まる一方、機関投資家や証券アナリストからは「事業面でこれ以上の施策は期待できない」と冷めた声も聞こえてくる。

主要事業会社であるセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)、アメリカのセブン-イレブン・インク(SEI)については、昨年の投資家向け説明会で2030年度の財務目標について開示済みだ。

事業再編についても9月に実施する、イトーヨーカ堂などの非コンビニ事業を束ねる子会社、ヨーク・ホールディングスの株式売却をもって、正真正銘のコンビニ専業となる。

これらを発表後も停滞する株価を見る限り、中期的な財務目標を掲げるだけでは不十分だ。では、8月の中計やその先を見据えたデイカス社長の経営に期待されるものは何か。

焦点の1つがグローバル企業としての「ガバナンス改革」だ。

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