カナダ競合がセブン&アイの買収撤回で、両社は非難合戦を展開・・・セブン社内に楽観ムードはなく、次なる焦点は新中期経営計画と株主対応

日本最大手の流通業をめぐり、世間を騒がせたビッグディールはあっけない幕切れとなった。
カナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールは7月17日、セブン&アイ・ホールディングスへの買収提案の撤回を発表。セブン&アイ取締役会に宛てた書簡では、クシュタールの首脳陣が「全く真摯な協議がなされない状況が続いている」とセブン&アイを非難している。
セブン&アイも真っ向反論
これに対し、セブン&アイは同日、「クシュタールが発表したリリース上の数多くの誤った記述について賛同しかねる」との反論リリースを公表した。
セブン&アイは当初から、アメリカのコンビニ市場で首位のセブン-イレブンと2位のクシュタールの統合は、同国の独占禁止法が大きなハードルであると指摘してきた。
セブン&アイとクシュタールの両社は協力して独禁法上の問題をクリアするため、2025年5月に秘密保持契約(NDA)を締結。一部店舗の売却について、協議を重ねており、交渉は前進しつつあると見る向きもあった。
しかし、終わりは突然訪れた。経緯はどうであれ、セブン&アイは外資からの買収という危機を乗り越えたかに見えるが、額面どおりには受け取れない。社内からも「彼らはまたやってくる。戦い方を変えてきた」(セブン&アイ幹部)という声が聞こえるなど、楽観ムードはない。
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