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カナダ競合がセブン&アイの買収撤回、外資からの買収危機を乗り越えたと思いきや、社内に楽観ムードはなし・・・次の焦点は新中期経営計画と株主対応

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クシュタールはセブン&アイの交渉姿勢について厳しく糾弾している。写真は3月に都内で会見したクシュタールのアラン・ブシャール会長(撮影:梅谷秀司、尾形文繁)

日本最大手の流通業をめぐり、世間を騒がせたビッグディールはあっけない幕切れとなった。

カナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールは7月17日、セブン&アイ・ホールディングスへの買収提案の撤回を発表。セブン&アイ取締役会に宛てた書簡では、クシュタールの首脳陣が「全く真摯な協議がなされない状況が続いている」とセブン&アイを非難している。

両社経営陣による面会の場で、クシュタールの質問に答えようとしたセブン&アイ側の役員を、同社のスティーブン・ヘイズ・デイカス社長が叱責し、「『考えなさい』とでも言うかのように自分の頭を指さしました」というエピソードまで持ち出すなど、真偽はさておき、クシュタールの怒りが強烈に伝わってくる文面だった。

セブン&アイも真っ向から反論

これに対し、セブン&アイは同日、「クシュタールが発表したリリース上の数多くの誤った記述について賛同しかねる」との反論リリースを公表した。

セブン&アイは当初から、アメリカのコンビニ市場で首位のセブン-イレブンと2位のクシュタールの統合は、同国の独占禁止法が大きなハードルであると指摘してきた。

セブン&アイとクシュタールの両社は協力して独禁法上の問題をクリアするため、2025年5月に秘密保持契約(NDA)を締結。一部店舗の売却について協議を重ねており、交渉は前進しつつあるとみる向きもあった。

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