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重要人事の連発は株主にどう響くだろうか――。
5月27日の定時株主総会を前に、セブン&アイ・ホールディングスは新たな取締役候補と、国内コンビニ事業を担うセブン‐イレブン・ジャパン(SEJ)の役員人事を発表した。
SEJは2019年4月から社長を務めてきた永松文彦氏(68)が取締役会長に就き、執行役員の阿久津知洋氏(54)が代表取締役社長に昇格する。
阿久津氏はオペレーション本部(フランチャイズ加盟店の経営指導を担う部門)の地域責任者や副本部長を務めるなど、現場経験が豊富な人物。永松社長は「阿久津氏について「エネルギッシュで行動力があり、求心力抜群の人間」と評価する。
あるSEJ関係者は「加盟店支援の能力は社内でもトップクラス。セブン内で『次世代の社長』となれば阿久津さんくらいだろう」と話す。取締役を経験せずに社長に抜擢されたのも、同社としては極めて異例だ。
国内セブンの経営陣も一新
交代は社長ポストだけではない。阿久津氏のほか、2024年に商品本部長に就任した羽石奈緒氏(47)ら、50代前半以下の3人が新たに取締役に就任。代わりに、現在のセブンを支えてきた野田靜馬副社長や青山誠一商品戦略本部長ら、59~68歳の取締役4人が退任し、国内セブンの経営陣は大きく若返る。
他方、セブン&アイの役員も社外取締役を中心に大きく変わる。
同社の取締役構成をめぐっては、3月にスティーブン・ヘイズ・デイカス氏の新社長就任が公表されてから数日のうちに3人の取締役が辞任した。北米セブン-イレブンの運営子会社CEOで、新社長候補の1人でもあったジョセフ・マイケル・デピント取締役専務と2人の社外取締役だ。
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