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「らしさ」失ったヨーカ堂、HD化から始まった凋落 セブン&アイHD設立後も再建が進まなかった真因

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ヨーカドーのマークは1972年に制定。今後セブン&アイのマークは消えていくか(撮影:今井康一)

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イトーヨーカ堂の売却交渉が大詰めを迎えている。セブン&アイ・ホールディングス(HD)は2024年10月、ヨーカ堂などスーパー事業や専門店事業などを束ねる中間持ち株会社、ヨークHDを設立。同社に外部資本を導入して、再建を図る方針を示した。

ヨークHDの株式の売却先は、現在投資ファンドを核とした3つの陣営に絞られている。各陣営が2度目のデューデリジェンス(資産査定)を実施中で、売却先は計画通り、2月中に決定される見込みだ。

セブン&アイ自身が海外同業からの買収提案や創業家によるMBO(経営陣による買収)に揺れる中で、ヨークHDの売却は是が非でもスケジュール通りに進めなければならない。そんな経営陣の焦る思いが伝わってくる。

売却後もセブン&アイはヨークHDの株式を一部保有し続け、持ち分法適用会社とする方針だ。創業家の伊藤家も出資するようだ。ただヨークHDはスーパーや外食、専門店と業態の異なる企業群の集まりで、売却後はそれぞれ業態・企業ごとに分離されるシナリオがささやかれている。

セブン&アイ「HD化」で加速した優等生の凋落

ヨークHDの中核は、資産や売り上げ規模からみれば、やはりヨーカ堂だ。ではヨーカ堂は新たなパートナーの下で再建できるのか。現状を見る限り、それは厳しいと言わざるを得ない。

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