セブン&アイ、ロフトやデニーズ株も一部売却へ コンビニ事業に集中する姿勢を改めてアピール
ついに真のコンビニ専業へ――。セブン&アイ・ホールディングスが多くのグループ子会社の持ち株比率を引き下げる検討に入ったことが10月9日、東洋経済の取材でわかった。
グループではすでに、イトーヨーカ堂などスーパーストア事業の子会社各社、セブン銀行の持ち株比率を引き下げ、持分法適用会社化することが報じられている。
今回、複数の関係者が明らかにしたのは、ロフトと赤ちゃん本舗、ファミリーレストラン「デニーズ」などを運営するセブン&アイ・フードシステムズの3社の一部株式を売却することだ。3社とスーパー各社、銀行は一部株式の売却後も最終的に株式の3分の1以上は保有し続ける見込み。対象となる子会社はさらに拡大する可能性もある。
スキームとしては、非コンビニ事業の子会社を束ねる中間持ち株会社を設立し、そこに外部資本を入れる案などが検討されているようだ。
ロフトはスーパーと異なり、着実に黒字を計上(2024年2月期は売上高1071億円、当期純利益は24億円)している。関係者は「すぐに買い手は見つかるだろう」と話す。
独立路線で企業価値を高めるアピールか
セブン&アイHDは現在、カナダの同業大手、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けている。
8月までに同社からあった提案は、セブン&アイの全株を1株14.86ドル、現金で取得するというものだったが、セブン&アイは同提案を「著しく株主価値を過小評価している」とし、賛同しかねる旨を回答していた。
10月9日にはクシュタール社が9月に1株18.19ドル、7兆円規模の新たな買収提案を行っていたことも伝わっている。
セブン&アイは明日10日の決算会見で、上記のような構造改革の具体案を発表するとみられる。ヨーカ堂をはじめ、積年の課題に本腰を入れて取り組む姿勢を示すことで、独立路線でも企業価値を高められると市場にアピールしたい狙いだ。
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