セブンが外為法「コア業種」に、どうなる買収提案 カナダ同業大手による買収の障害となるのか

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セブンは8月、カナダのアリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けた(写真:今井康一)

カナダのコンビニエンスストア大手、アリマンタシォン・クシュタールから初期的な買収提案を受けているセブン&アイ・ホールディングス。財務省は9月13日、セブン&アイを外国為替及び外国貿易法(外為法)上のコア業種(コア業種に属する事業を営んでいる会社)に分類した。

外為法は、国の安全等で問題となる場合に対処するために、外資による国内企業への投資を一部規制している。

セブン&アイはこれまで、3分類のうち2番目の「指定業種のうち、コア業種以外の事業のみを営んでいる会社」だった。外国企業がこうした会社の株式を1%以上取得する際は、原則として国に事前届け出が必要になる。事前届け出が免除されるには「非公開の技術にアクセスしない」や「取締役に就任しない」などの規定を満たす必要がある。

政府は株式売却命令を行うことも

今回セブン&アイが格上げされたコア業種では、前出の規定に加えて「重要な意思決定権限を有する委員会等へ参加しない」、「取締役会に期限を付して書面で提案を行わない」などの規定も遵守する必要がある。株式取得後も事後報告を求め、違反があった場合、政府は株式売却命令を行うこともできる。

なお、セブン&アイのポートフォリオのうち、何の事業がコア業種に指定されているのか、財務省の担当者は「回答できない」としている。

北米事業はガソリン以外の集客策構築が必要だ(写真:セブン&アイ・ホールディングス)

セブン&アイ担当者は「今年6月に財務省から全上場企業に照会があり、その回答を踏まえ、財務省がコア業種に指定した」と話す。

一部メディアで「セブン&アイがクシュタールからの買収提案後に、コア業種への格上げを申請した」と報じられていたが、セブン&アイ側は「回答したタイミングは言えない」としている。

クシュタールは買収提案について、大幅な価格引き上げも検討しているようだが、買収の実現には価格のみならず、国内外の当局による規制をどう突破するかが課題となりそうだ。

セブン&アイHDが外資によるM&Aの標的となりました。こちらの特集では、カナダ同業からの買収提案を経て厳しく問われる「成長戦略」の中身に迫っています。
冨永 望 東洋経済 記者

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とみなが のぞむ / Nozomu Tominaga

小売業界を担当。大学時代はゼミに入らず、地元密着型の居酒屋と食堂のアルバイトに精を出す。好きな物はパクチーと芋焼酎。

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