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鈴木敏文氏の「遺産」はセブンを変えられるか 「コンビニの父」に見えていた、成長の限界とは

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神奈川県にある「セブンーイレブン川崎登戸店」。外見は何の変哲もないセブンだが、鈴木敏文氏の特命で、次世代のコンビニ像を探る実験が行われてきた(撮影:今井康一)

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「セブンーイレブンはこのままではまずい」――。2012年、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長(当時)はそう周囲に漏らしていた。

この頃のセブンは絶好調だった。同年度は営業利益で過去最高を更新、店舗純増数も初めて1000を超えた。東日本大震災を機に、インフラとしてのコンビニの重要性が再認識された時期でもある。それでも鈴木氏の心は晴れなかった。

頭にはつねにグループ祖業のイトーヨーカ堂があった。一時は小売業として最高の収益性を誇ったが、1990年代から凋落が始まり、この頃には営業利益率も1%未満と低迷していた。

「いずれセブンの成長にも限界が訪れ、ヨーカ堂と同じ道を歩むのではないか」。鈴木氏は危機感を強めるばかりだった。

「僕にはもう無理…」コンビニの父は何を託した?

そこで2012年、コンビニの父は水面下で特命プロジェクトを立ち上げている。ストア・イノベーション・プロジェクトだ。現在のみらい事業創造部の前身に当たる。

鈴木氏は立ち上げメンバーの山口圭介氏(みらい事業創造部・部長)らに「僕にはもう無理だから」とこぼし、後輩にコンビニのビジネスモデルを変えていく使命を託したのだった。

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