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〈激白〉セブン&アイのデイカス社長が「国内企業としての成長はもう限界」と語る真意・・・6月、アメリカ・ダラスに自らの事務所を構えた理由とは?

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スティーブン・ヘイズ・デイカス/1960年11月、アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれる。ファーストリテイリングやウォルマートで経営幹部を歴任。ウォルマート傘下時の西友ではCEOも務めた。2022年5月にセブン&アイHD社外取締役、2025年5月に社長CEOに就任(撮影:尾形文繫)
9年ぶりの社長交代を果たした、セブン&アイ・ホールディングス。新社長に就いたスティーブン・ヘイズ・デイカス氏をはじめとする経営陣は8月6日、「7-Elevenの変革」と題し、2030年度を最終年度とする経営計画を公表した。
収益の大半を稼ぐ海外コンビニ事業を中心とした成長戦略や財務目標が焦点の1つだった一方、デイカス社長の口からは、「創業の精神から離れている」「現状に甘んじている」「真のグローバル企業になれていない」など自省の言葉が何度も飛び出した。
説明会で発した言葉の真意や、「ジャパン優遇」の組織体制の弊害について、デイカス氏に聞いた(インタビューは8月27日実施)。
※9月2日に配信予定のインタビュー後編では、7月にセブン&アイへの買収提案を撤回したカナダ企業との交渉の舞台裏などについて詳報します。

「スケールメリットを生かす機能がない」

――8月6日に公表した中期経営計画の発表会見では「真のグローバル企業になれていない」と発言しました。社長就任から約3カ月で見えてきた課題は。

「セブン‐イレブン」は国内でも、また世界でも1位のコンビニエンスストアチェーンだ。世界中のセブンに1日6000万人のお客様が訪れるというのは、実に素晴らしいこと。

しかし、これまでのセブン&アイは海外の子会社を持つ国内企業にすぎなかった、と言わざるをえない。

私はこれまでさまざまなグローバル企業を歩んできたが、セブン&アイには他のグローバル企業では当然ある、スケールメリットを生かすための機能がホールディングスになかった。個別で完結する事業会社の集団だった。

調達やテクノロジーなどでシナジーを活用できていないことに加えて、なによりも重大なのが人材の面。グローバルの視点で事業をマネジメントできる人材を育成するシステムがない。

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