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東京コスモス電機、「アクティビスト社長」の手腕/中計を抜本改定、株価を2倍以上に引き上げると明言

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縮小
東京コスモス電機
老舗企業の社長に、大株主であるアクティビストファンドの代表が就任した(記者撮影)

決して著名な企業ではない。本業は可変抵抗器や車載部品というニッチ分野。株式上場こそしているものの、東証スタンダード市場かつ時価総額は100億円ちょっと。それでも、11月10日に都内で開いた新中期経営計画の発表会には大勢の記者が集まった。

「縮小均衡に陥っていた」。東京コスモス電機の門田泰人社長は前経営陣の舵取りがいかに誤っていたかを列挙した。度重なる人員削減、研究開発費の縮小、投資も還元もされず死蔵される現預金。悪弊を一掃すべく、このほど中期経営計画を抜本的につくり変えた。

新旧経営陣が対立する様子はさながらお家騒動だが、事態はより複雑だ。門田社長は生え抜き社員ではない。東京コスモス電機に投資するアクティビスト(モノ言う株主)ファンドのCIO(最高投資責任者)なのだ。

前代未聞の社長交代

発端は6月24日に開かれた株主総会だ。会社側が提案した取締役選任議案が否決され、代わりに門田氏のファンドなどが提案した人事案が可決。取締役会が総入れ替えとなり、門田氏が社長の座に就いたのだ(詳細はこちら)。

門田社長
新中期経営計画を説明する門田社長(記者撮影)

現在、門田氏は東京コスモス電機社長とアクティビストファンド代表という二足のわらじを履く。「アクティビスト社長」率いる老舗メーカーはどこへ向かうのだろうか。

「目先の利益から未来への成長を優先する経営へとシフトする」。門田社長はまず、前経営陣時代の課題を列挙した。過去10年で従業員数を3割減らし、研究開発費や設備投資の予算は絞られていた。ERP(統合業務システム)を導入したにもかかわらず、原価や在庫、受発注の管理は属人的なままで、エクセルに手入力する場面もあったという。

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