富士山麓の本格的オフロードコースとその周辺の一般道で、三菱自動車の新型ピックアップトラック「トライトン」を走らせた。
操縦安定性、乗り心地、そしてワクワク感は、1980年代からアメリカでピックアップトラックを所有するなどしてきた筆者の想像を、はるかに超える出来栄えだった。
トライトンは過去に日本でも販売されていたが、それは12年も前のこと。一般的な認知度は、ゼロに近いと言えるだろう。
だが、グローバルに目を向けると世界150カ国で、年間約20万台を販売する、三菱の基幹モデルだ。1978年生産開始の初代(名称はフォルテだった)から先代である第5世代までの累計販売台数は、570万台。
トライトンには、シングルキャブと呼ばれる2ドアの商用に特化した後輪駆動(FR)モデルから、レジャーなどでも活用の幅が広がる4ドア・ダブルキャブの4WDまで、多様なグレードがあり、この中から日本ではダブルキャブ4WDの上位2グレードのみを導入する。全数がタイからの輸入だ。
価格は、標準グレードの「GLS」が498万0800円、上級グレードの「GSR」が540万1000円だから、なかなかの高級車だ。
それでも、「デリカD:5」とは価格差がさほどないこともあり、2023年12月21日の受注開始(発売は2024年2月15日)から、試乗会が実施された3月上旬までの時点で、1700台あまりを受注しているという。月販目標は200台だから、順調な滑り出しである。
三菱としては、日本で近年「アウトランダーPHEV」「eKクロス EV」、さらに「デリカミニ」とヒット作が続いている中、ここにトライトンを加えることで、三菱ブランドの強靭化を進めていく構えだ。
全長5.3mの大型ボディにディーゼルを搭載
トライトン日本導入モデルの詳細を見ていこう。ボディ寸法は、GLSが全長5320mm×全幅1865mm×全高1795mm、GSRが5360mm×1930mm×1815mmで、どちらも5人乗り。
エンジンは2.4リッターのディーゼルターボ(4N16型)で、最大出力150kW/最大トルク470Nm。燃費は、WLTCモードで11.3km/Lだ。
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