筆者は、これまでも東京オートサロン2024などで実車を見ていたが、いずれも屋内で、こうして富士山をバックにした大自然の中でじっくり見てみると、デザインコンセプトの「BEAST MODE (勇猛果敢)」を改めて実感する。
『新明解四字熟語辞典』(三省堂)によれば、勇猛果敢とは「恐れることなく、自分の目的・目標に向かって、ひたすら前進すること」。なるほど、トライトンにはそうした雰囲気を感じる。
試乗会では、まずオフロード走行から始めた。旧知の増岡浩氏が同乗し、彼からトライトンの扱い方のレクチャーを受けながらコースを進む。
いまさら説明の必要はないかもしれないが、同氏は2002年と2003年にダカールラリーで日本人初の総合優勝連覇を成し遂げるなど、オフロード競技のトップ選手だ。
三菱の量産車開発にも直接関わり、直近では東南アジアを舞台にしたオフロードレースにトライトンの競技車両で参戦している、トライトンの本質をよく知る人物である。
対応力の広さがハイラックスとの違い
トライトンの4WDシステムには、三菱が「本格的クロカン(クロスカントリー)と乗用車のハンドリングを両立させる」と表現する「スーパーセレクト4WD-Ⅱ」が採用される。
後輪駆動の2H、フルタイム4WDの4H、センターデフロックする直結4WDの4HLc、そしてさらにローギアの4LLcをダイヤル操作で切り替える。
また、4HではGRAVELモードやSNOWモード、4HLcではMUDモード、SANDモード、さらに4LLcではROCKモードを設定。これらのモードは、ブレーキのコントロールなど総括的な制御をするもの。合計7つのモードがあるが、スーパーセレクト4WD-Ⅱに連動することで、さまざまな走行シーンに対応する。
この対応力の幅の広さが、技術面でデリカD:5やトヨタ「ハイラックス」との最大の差である。そんなトライトンで走り出してすぐに感じたのは、取り回しのよさだ。
ステアリングにしっかりとした手応えがあり、クルマ全体の動きの先読みがしやすい。現行のアウトランダーPHEVの初試乗もオフロードだったが、走り出してすぐに感じたステアリングの軽さとクルマ全体の軽快さが印象的だった。
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