
ここ数年で欧米メーカーの“ビッグ3”にも再編の波が押し寄せた(記者撮影)
日本の医療機器産業は、世界的な技術力を誇る企業を有しながらも、構造的には長年にわたり輸入超過が続いている。
2023年の輸出額は1兆1255億円だったのに対し、輸入額は3兆3217億円に達した。貿易赤字は、実に2兆1962億円にのぼる。円安の影響も重なり、この傾向は一層顕著になっている。
オリンパスは消化器内視鏡で世界シェア約7割を握り、キヤノンメディカルシステムズはCT(コンピュータ断層撮影装置)で高い技術力を誇るなど、日本にはグローバルに通用する医療機器メーカーが存在する。
にもかかわらず貿易赤字が解消されない要因の1つが、治療機器分野における欧米勢の圧倒的な存在感である。
売上高3兆円超のガリバー
とりわけ、アイルランドのメドトロニックやアメリカのジョンソン・エンド・ジョンソンといった世界上位の医療機器メーカーは、手術支援ロボット、インプラント、心臓デバイスといった治療機器を主力とし、グローバル市場を席巻している。
これらの企業は積極的なM&Aによって成長を加速させ、売上高3兆円を超える巨大プレーヤーへと成長してきた。
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