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【医療機器】テルモ社長「売上高で世界トップ10目指す」→アメリカ進出のカギ握る“FDAのお作法”、過去最大M&Aで描く次の戦略とは

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さめじま・ひかる 1964年生まれ。慶應大学経済学部卒業後、1988年東亜燃料工業(現ENEOS)入社。シティバンク、エヌ・エイを経て、2002年にテルモ入社。2014年に執行役員、2022年に専務経営役員、2024年4月から現職(撮影:梅谷秀司)

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心臓血管分野の治療デバイスに強みを持つ医療機器大手のテルモ。精密機器メーカーが買収を通じて参入を強化する傍ら、医療分野に特化して着実に事業を拡大してきた。今2026年3月期は5期連続の増収増益、3期連続の最高益更新を見込む。
グローバル市場では欧米勢のシェアが大きく、日本勢はチャレンジャーの立場だ。一方で、中国勢の安価な製品の台頭や、アメリカの関税影響、AIを活用した新技術の登場など、目まぐるしく市場環境は変化している。
こうした中、テルモは勝ち筋をどう描くのか。医療分野の専業メーカーが持つ独自の強み、豊富なキャッシュを生かした今後のM&A(合併・買収)戦略などについて、鮫島光社長に聞いた。

100年以上、医療分野の専業

──精密機器メーカーが、医療業界への参入を強化しています。実際のところ、社員のマインドセットを変化させることに苦労しているという声も聞かれます。

社員の意識、価値観は本当に重要。100年以上、医療分野の専業でベクトルをすべて同じ方向に向けてこられたのは、われわれの大きな強みだと考えている。手前味噌になってしまうが、「医療を通じて社会に貢献する」というテルモの企業理念は明確で、そらんじて言えない社員はほぼいないだろう。

一見、テルモの製品は地味な技術と思われるかもしれないが、数多くのノウハウと経験が凝縮されている。長年、積み上げてきたことを生かしながらグローバルトップ企業群の仲間入りを目指していきたい。

──グローバルで「ティア1(最上位層)」に入る企業を目指したいとのことですが、具体的には何が必要になるのでしょうか。

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