マセラティ「110周年」栄枯盛衰ブランドの現在地 東京・モデナ同時開催イベントで見た神通力

マセラティの110周年を記念するイベントが、2024年12月1日に、マセラティ ジャパンの手で開かれた。場所は東京プリンスホテルで、110周年にあわせて110台の歴代マセラティが集まった。12月1日は、マセラティ創業の日である。
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少なくともクルマに関して、「日本はアジアの中で、とりわけブランドに対する理解が深い」とはよく言われるが、今回のイベントはそれがよくわかる内容だった。
会場に並んだ110台の中には「世界に1台」というクルマや、50年近くも日本の倉庫で忘れられ、“発見”された車両もある。
「マセラティのイメージ」が定着した日本で
海外のメーカー関係者から、「アジアの中でも日本市場は特別だ」という声をよく聞く。韓国などの“新興”市場では、まだまだ苦戦が続くマセラティだが、日本では違う。
1970年代のスーパーカーブームや、1980年代から1990年代初頭にかけてのバブル経済期などを経て、スポーティや贅沢といったマセラティのイメージが、しっかり定着しているからだ。

イギリスのロータスは、コリン・チャプマンという創業者の時代やF1での栄光が、日本ではよく知られている一方、その日本市場のマニアぶりが、新しいフェイズ(EVメーカーへの転身)への妨げになっている。
しかし、マセラティに関しては、今のところ望ましい方向へと進んでいるようだ。
Celebrazione dei 110 Anni di Maserati(マセラティの110周年のお祝いの意)と題された今回のイベントは、マセラティが本社を置くイタリア・モデナと東京でほぼ並行して開催された。
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