マセラティ「110周年」栄枯盛衰ブランドの現在地 東京・モデナ同時開催イベントで見た神通力
さらに古いマセラティを愛する層は、「ミストラル(1964年)」や「ミストラルスパイダー(1965年)」「シーブリング シリーズⅡ(1965年)」、そして先に触れた「A6GCS」や「メキシコ」に、おおいに食指を動かされていた模様だ。
それよりあとの世代は、「ビトゥルボE(1987年)」「222E(1989年)」「222SE(1991年)」「スパイダーザガート(1991年)」、それに「クワトロポルテⅣ(1998年)」も、心惹かれる存在だったと言っていた。
販売トップもクラシック・マセラティのオーナー
「歴史に名を刻む貴重なクルマを見ることができ、各車両の状態の美しさもさることながら、これだけ多くの日本のオーナー様がマセラティを長く大切に愛してくださったことを改めて実感できた日でした」
マセラティ ジャパン代表取締役であり日本・韓国統括責任者の木村隆之氏は、会場でそうスピーチした。
木村氏自身も、1989年の「ギブリ」を少し前に購入しており、「それなりに手はかかるけれども、あの時代のマセラティへの憧れが強かったので、楽しんでます」と笑顔でコメントしてくれた。
木村氏のギブリ購入に関して、同じように(ショートデッキのクーペボディ、ウッドのダッシュボード、ゼニアのシート地、金色のアナログ時計などに)憧れていた、という声も多く聞かれた。
販売のトップが、このようにふた昔ぐらい前の車両に乗り、それが周囲から評価されることが、日本市場における“マセラティブランドの浸透”の証明なのかもしれない。
カロッツェリア・ピニンファリーナ在籍中に「クアトロポルテ(2004年)」や「グラントゥーリズモ(2007年)」といったマセラティ車のデザインを手がけた、奥山清行氏(KEN OKUYAMA DESIGN代表)も会場にかけつけ、短くも温かい祝辞を送った。
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