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トヨタ肝いりの実証都市がいよいよ開所、モビリティの新たな価値を模索、ウーブン社が担う先進領域の先兵役

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ウーブン・シティでは住居棟や研究棟が建ち並ぶだけでなく、信号機や車線、横断歩道が整備されている(写真:トヨタ自動車)

「自動車業界以外の視点をかけ合わせることによって新たな価値は生まれる。インベンター同士の『カケザン』こそがウーブンの狙いだ」

トヨタ自動車は9月25日、静岡県裾野市に実験都市「Toyota Woven City(ウーブン・シティ)」をオープンした。東京ドーム約6個分となる土地に、住居や店舗、実証施設、テストコースを整備し、自動運転をはじめとしたさまざまな実証を行う。

ウーブン・バイ・トヨタの豊田大輔SVP。ウーブン・シティのプロジェクトを牽引してきた(記者撮影)

この日、現地で開かれた事業説明会で、トヨタ子会社でウーブン・シティを企画・開発・運営するウーブン・バイ・トヨタ(以下、ウーブン社)の豊田大輔シニアバイスプレジデント(SVP)は実験都市の意義についてそう強調した。

豊田SVPはトヨタの豊田章男会長の長男で、この日の説明会ではプレゼンテーションや記者との質疑応答をメインで担当。さらにその後のオープニングイベントでも前面に立つ場面が目立った。

まずは300人程度が入居する

ウーブン・シティの構想が豊田会長(当時社長)によって明かされたのは2020年1月、アメリカ・ラスベガスで開かれた世界最大の技術展示会「CES」でのこと。狙いは2018年に閉鎖が発表されたトヨタ自動車東日本の東富士工場跡地を活用し、次世代技術を現実に近い形で実証することで、実用化を進めやすくすることだった。

今回オープンした第1期エリアには住居棟や実証棟など14の建物が並ぶ。信号機や横断歩道、車線などの交通規制も整えられている。トヨタの従業員をはじめとした関係者や研究者、起業家が入居して、通常の生活を送る中でさまざまな技術やサービスを導入していく。まずは300人程度が入居する見込みで、第2期エリアの造成工事もスタートしている。

トヨタはバスや移動販売などに使える多目的EV(電気自動車)「eパレット」を複数台配備し、自動運転や先進運転支援技術の実証走行を行う。小型モビリティが自動運転のEVを通信で特定の場所まで誘導するカーシェアサービスも試す。地下道も用意されており、天候や気温などに左右されない形で実証を行うことができるという。

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