持ち合いと豊田会長頼みのガバナンスは続くか。

(写真:共同通信社)
今期の純利益計画は過去最高の4.5兆円と絶好調のトヨタ自動車。だが、競争力の源泉であるグループ各社で不正が相次いでいる。試練を乗り越え成長を持続できるのか。『週刊東洋経済』3月23日号の第1特集は「絶頂トヨタの試練」だ。
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「トヨタにモノが言いづらいという点もあると思う」
1月30日のグループビジョン説明会で、トヨタ自動車の豊田章男会長は不正の背景をそう分析した。
トヨタグループでは、各社が株式を持ち合っている。ただ、出資比率でも役員ポストの占有率でもトヨタは突出しており、「モノが言いづらい」状況は見て取れる。
豊田自動織機やデンソーといった持ち分法適用のグループ会社に対するトヨタの直接的な出資比率はおおむね20%台だが、グループの保有分を合算するとほぼ3分の1を超え、豊田自動織機、トヨタ紡織、豊田合成では過半数に近い。
実質的にトヨタの子会社
グループ各社が出資比率で勝るトヨタの意向に背くのは難しいこと、議決権の未行使分が一定程度あることなどを勘案すれば、少なくとも3社に関しては実質的にトヨタの子会社といっていい。
東京証券取引所は2021年の改訂コーポレートガバナンス・コードで、支配株主がいるプライム上場企業について取締役の過半数を独立社外とすることを求めているが、3社は満たしていない。
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