系列販売会社の過大請求は現場の繁忙も一因で、不正車検の背景と重なる。
中古車大手ビッグモーターの保険金不正請求で注目を集めた板金塗装修理。その修理費の過大請求がトヨタ自動車の系列販売会社でも相次いで発覚している。
東洋経済の独自集計では、トヨタの国内9販社で計1万0566件に上ることがわかった。過大請求の内容は大きく2つ。
車の塗装の最終仕上げであるクリア塗装において、通常仕様のクリアで作業したのに、すり傷がつきにくい高額の高機能クリアとして請求していたケースと、車体の表面に施すベース塗装において、油性塗料で作業したのに、高額な水性塗料として請求していたケースだ。
地場販社で最初に発覚したネッツトヨタ茨城では2022年12月までの4年間で2699件あった。
作業内容と請求内容に齟齬
クリア塗装では車種や年式、カラー番号によって、通常仕様と高機能のどちらで作業するかが決まる。
本来はメーカーから提供される情報に基づき作業を行う必要があったが、同社では、作業者の判断でクリア塗料の種類を決めることができた。作業内容を確認する仕組みが不十分だったこともあり、通常仕様で作業を行ったものの、見積もりに記載されていた高機能のまま請求していたと説明する。
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